がんばろう人生

がんばろう東北、がんばろう岩手、がんばろう人生

無職の弟が実家を出て行きました。という題名の予定だったが内定をもらったらしいので、弟とのこれまでを振り返る

2013年4月〜2014年7月

大学卒業後、旧実家の隣市に新築した新実家に番犬代わりの1人暮らし&新幹線通勤がスタート。社会人1年目の終わりに当時の恋人と別れ「このままじゃアカン」と焦り、家出を決行。

家出後1週間で新実家へ住所変更完了のはがきが届いたことで両親に家出がバレる。父親に電話でブチギレられ、ガチャ切りされ、親子関係終了かと思うも、「職場のある街に住んで何が悪い」と開き直る。その後、父親も落ち着き、住所や間取りを伝え、関係は回復。

 

2015年頭?

私が2Kに住んでいることから、市内の大学に進学することになった弟との同居を打診される。

家出した負い目もありOKする。

 

2015年4月

同居スタート。

夕ごはんを作ってあげたり、同居ネタ用のTwitter垢を作ってみたりとなんとなく楽しくやる。

 

2015年12月中旬

弟宛のセンター試験の受験票が届く。

不思議に思ったがきっと趣味なのかと思う。

これが地獄の始まりだった。

 

年末

一緒に帰省しようと思ったら「いやだ」と言われる。一緒に帰るものだと思っていたから混乱。泣き喚きながら弟の腕を引っ張っていこうとするもまさか連れて行けるわけもなく。

実家に電話して説得しろと言われあがくも、そんなに言ってだめなら諦めろと言われ1人で帰省。実家で「悔しい」と親の前で泣く。

 

https://am-our.com/love/538/17000/

この記事でいう「自分が1番何に傷付いてきたか」の1つはこの事件だ。

他には、今実家で乗ってるTOYOTAのWISHを買った時。

実は父親はカローラフィルダーを買おうとディーラーに連絡するも、母親が「WISHがいい」と号泣しているところに当時中学生だった私が帰宅。

号泣する母親を初めて目の当たりにして、なぜかものすごく傷付いた。

 

「全員が穏やかな大人であるような普通の家族ではない」ことを自覚する時がものすごく傷付くらしい。

普通の家族なんて簡単だと思っていた。

 

2016年2月頃

弟が「医学部に行きたい」と言い出す。

「本当は今の大学に行きたくなかった」とも。

あのセンター試験の受験票は趣味ではなかったらしい。秋頃から授業もほとんど行ってなかった模様。私の出勤の方が早いため気づかなかった。

父親と散々揉めた末に、2016年度は休学して宅浪することに。

なお、弟の学力が医学部レベルではなく、医者である父親が「医者になれ」と言ったわけもないことは自明。

いよいよ寂しくない程度の生活音を出す番犬と暮らす感じになる。

 

2017年3月

今度は「予備校に行きたい」と言い出す。

「予備校に行きたかったら言ってね」と父親から散々言われていたにも関わらずの後出しジャンケン

馬鹿なくせに妙に神経質な弟のことだからどうせ、途中から予備校に通わず、きっちり1年宅浪やってみて「やっぱりこれではダメ」ということを確認してからが予備校に行きたかったんだろう。

結局、膝が痛い父親は無駄に担任との面談のために仙台へ行き、大学は退学することになり、市内の全寮制の予備校に行かせることになる。

 

父親との話し合いの中で弟は、小学校の自由研究で父親に課題を押し付けられたのが嫌だった、とかかなり昔のことを話したらしい。

「俺のことをわかれ」と言わんばかりに本を何冊も父親に渡したらしい。

相手の土俵で相撲は取らない、と特に動揺しない父親。

「これ以上言い訳させないために予備校に行かせる」とのこと。

なるほど、心の中の膿はそんな昔から溜まっていたのか。

父親は、人間としてはリテラシーが高いし、私は師と仰いでいるが、人の親に向いているかどうかについてはまあ少し疑問はある。

 

2018年3月

受験はダメダメで実家に強制送還。

センター半分とからしい。本当に馬鹿なんだね?どんな勉強の仕方と時間なら3年やってその程度なの?

弟は「働きます」と言ったらしいが、父親はこのまま捨出て行くのはあまりにかわいそうと実家近くのパソコン専門学校にぶち込む。

やや金持ちな実家も考えものである。

 

2019年秋

会社から来る内定のお誘い?を尽く断り続ける弟。側から見たら意味不明。

「東京に行きたい」とか言う。

またそうやって妄想を吐くのかとうんざりする。

医学部に行きたいから成長してなくて笑えない。見通しというものが立てられないのか?

メンタリティが小学校5年生レベル。

おもちゃを買ってほしい子どもを見ているようだ。

彼の精神的な「飢え」はどこから来ているのだろう。むしろ「飢え」がない人はどこで折り合いをつけたのか、自分で消化できたのだろう。

 

2020年1月

引きこもり不可、就職先見つけて出て行け、の勧告が父親から日々なされる。私にも確認のため同じ文面が送られてくる。

勉強もできなければ段取りもできない。

私が発狂しそう。

 

3月中旬

突然、県内企業で就活を始めたらしく内定。

無い内定より全然マシだが、この時期まで受け入れてるとかどんな会社だ…?

県北の営業所に配属になって一生帰ってこないでほしい。

 

弟が大学入学してからの5年を振り返ってみた。

「普通の家族」がどれほど有り難いのかよくわかった。夫との暮らしは本当に心地よい。

 

父親とよく話すが、弟の前世はたぶん牛か犬なのだろう。よくこんなにリテラシーの高い父親から犬みたいなのが生まれてきたものだ。

きっと母親のせいで薄められたのだろう。

「人間楽しそう」と生まれ変わってこのザマだ。もう二度とそんな気を起こさないでほしい。今生で犬レベルの弟のわがままに付き合わされた私と父親の身にもなってほしい。

 

弟の存在が憎くて仕方なかった。

家族のガンだとずっと思っていた。

早く切り取りたいと。 

 

そして今生で1番不幸なことは「能力無く生まれてくること」に尽きるのではないかと思う。

飽和した金融資本主義社会で残ってしまった競争原理に勝ち続けなければならない。

負ければ、鬱、引きこもりのフルコースだ。

 

自分が不愉快/不利益を被らないと自分ごとにはならない、当事者意識を持てない、という至極当たり前のことを手に入れた5年間だった。

自分と同じレベルの、人間の上澄しか見たことがないような人よりは多くの現実を見た。

もううんざりだ。

常々「早く人間辞めたい」と思っている。

 

弟を散々罵ってきたが「姉なりにもっと何かできたのではないか」と思わずにはいられない。

弟はとにかく認められたかったのだろう。

激甘な母親からだけでなく。

「俺のやることに口を出すなら俺が納得する答えをくれ」と考えているようだ。